当院のリハビリテーション
リハビリテーションと一口に言っても目的は様々ですが、一例としては腰や膝などの痛みが原因で生活に支障が出ないようにする、スポーツで怪我をした人の復帰を支援する、高齢者が転倒したり介護が必要な状態になることを防ぐなどが挙げられます。
特に当院では、いわゆる「ロコモティブシンドローム」を予防することに力を入れていきたいと考えています。ロコモティブシンドロームとは、運動器と呼ばれる身体の機能が低下し高齢者の移動するための能力が不足したり、衰えたりした状態のことです。運動器とは、骨や筋肉、関節などの人間が運動するために必要な身体の仕組みを指します。
また当院のリハビリテーションでは、高齢者に限らず、怪我や病気の治療の目的だけでなく、身体機能を改善して怪我を未然に防ぐことも目的のひとつにしています。安静にしていれば一時的に怪我から回復することはあっても、筋肉が硬くなっている、あるいは可動域が落ちているなど、身体が怪我の前と変わっていなければ、再び怪我をし易い状態と言えます。そのような事態を防ぐためにも、目の前の怪我を治療することに加えて、怪我をしにくい身体を作って怪我を防ぐことも視野に入れています。スポーツであれば、怪我の前よりも身体機能を向上させて復帰できるよう最大限に支援いたします。
このようにリハビリテーションの目的は多岐にわたりますが、病気や怪我、加齢による機能障害を緩和したり、身体機能を改善して、使える機能を最大限に発揮できるようにすることがリハビリテーションの役割と言えます。
運動器リハビリテーション
当院では、医師と理学療法士が連携し、患者様1人ひとりに合わせた運動リハビリプログラムを作成して治療を実施しています。その際、炎症や痛みの軽減はもちろんのこと、身体の使い方や姿勢を改善し、適切な運動習慣を身につけて痛みの再発を防ぐための支援もしています。
運動器リハビリテーションの目的
肩こり、腰痛、膝関節痛などの痛みは、ときに外傷とは無関係に起こります。むしろ、日常生活の中での身体の使い方や姿勢、関節や筋肉の硬さと関連している場合が多いと言えるでしょう。このため、痛みが出る理由を見極め、痛みを緩和して再発を防ぐには、どこに根本的な原因があるのかを探る必要があります。原因は、必ずしも症状が出ている部位にあるとは限りません。痛みのある部位に治療を施しても改善されない場合、別の部位にも原因が隠れていることが多いため、一度ご相談ください。
患者様に合わせたプログラム
医師が診断する疾患としては同一でも、原因や病態は患者様ごとに異なります。このため、リハビリテーションプログラムを作成する際には、患者様に適した内容になるように、問診と理学的な検査(姿勢、筋肉、関節の可動域、歩行など)とを実施して、何が機能障害の原因になっているのかを判断することが重要です。こうして患者様の状態をきちんと見極めた上で、正しい姿勢と身体の使い方、適切な運動についての指導をいたします。痛みなどの症状が解消された後、再発防止を目的として継続できそうなエクササイズを提案しますので、他の医療機関での治療や投薬ではあまり効果が得られなかった方も、一度ご相談ください。
物理療法
電気や熱などの物理エネルギーを利用して腫れや痛みを軽減し、症状を緩和する治療方法です。物理療法は治療に使用する機器や使用目的は状況によってまちまちです。実際、身体をほぐすだけの用途で使われる場合もあれば、エビデンスに裏付けられた知見をもとに最新の機器を用いて怪我や疾患の治癒を目指す場合もあります。
当院で実施している物理療法
温熱治療
ホットパックなどの加温装置を使用して、痛みがある部位を温めて血流を促すとともに、緊張した筋肉をほぐす効果のある治療法です。怪我や炎症がある場合は、温熱治療を行う前に必ず医師に相談してください。
干渉波治療器
周波数の異なる電流を患部に向けて流すと、電流同士が交差した時に干渉電流が発生します。この干渉電流を利用したのが、干渉波治療器です。具体的には、干渉電流によって筋肉を刺激して運動させ、血流を促すことで、疼痛を軽減します。その際、当院では、通常の二次元干渉波だけでなく、三次元干渉波を用いた治療にも対応しています。このため、身体の表面から深部までの広い範囲を対象にして、患者様1人ひとりの症状に応じて適切な干渉波を選択することが可能です。結果的に、より一層高い治療効果を期待することができます。
超音波治療器
身体に超音波を当てると熱が発生します。この熱による温熱作用を利用したのが、超音波治療器です。超音波によって得られた熱は身体の深い位置まで到達するため、関節や筋肉、靭帯周囲の腫れや痛みを短期間で改善する目的で使うことも可能です。 また当院では骨折に対して超音波治療器を用いて、早期の骨癒合を目指す治療も行っていますので、骨折された方にはこちらもご案内させていただきます。